電子書籍の時代に、「モノとしての本」を考えてみました。

■本書は仮綴本ですので、ルリユールの素材としてお使いいただけます。全国各地に手作り製本工房が存在し、また製本技法を教える教室もございます。お手軽製本から、モロッコ革による総革張りの高級な製本技術が習得できる教室までさまざまです。

・糸かがりは二個所留めですが、昔の糸より強度があるので、このままでも繰り返し繙読に耐えるはずです。一方、二個所の綴糸を切るだけで冊子がバラけます。これは再製本の際には必須の要件で、各折丁の背痛みを極力押さえるはずです。

・前後に見返しを添えて寒冷紗で背固めし、強度を増しました。

・本文と表紙の接着部分を表見返しの一個所だけとしました。後見返しにノリ付けしていないので、繙読時に背表紙が傷むのを幾らか防ぎます。気になる方は普通のノリで背固めしていただきますと、並製本に近い状態になります。

・『I AM A CAT』の方はアンカットになっております。


『吾輩は猫である』

■販売価格 ¥5,400(税込)※送料は別途かかります。

■四六判 596ページ 本文:オフセット印刷 表紙:凸版印刷

■今回提供いたしました漱石著『吾輩は猫である』は、「寸珍版」を底本としており(註1)、江戸っ子漱石の面目を十二分に発揮し得ている校閲本であると確信しています。気っ風の良い江戸弁によるルビをご堪能下さい。このテキストでしか味わえない醍醐味を提供するものです。編者は、これが生前の漱石による唯一の「著者認定本」であると考えています。

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『吾輩は猫である』表紙

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背の糊付け

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製本例

仮綴本のトビラを表紙として使用した例

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本文および挿絵(註2)

註1 底本は『吾輩ハ猫デアル』(大蔵書店刊、明治44年7月発行、86mm x 47mm(寸珍版)754頁)である。

註2 カラー挿絵(中村不折・浅井忠による)は、初版『吾輩ハ猫デアル(上・中・下)』(大蔵書店・服部書店刊、明治38―40年)より。


『I AM A CAT』

■販売価格 ¥2,700(税込)※送料は別途かかります。

■四六判(アンカット) 168ページ 本文:オフセット印刷 表紙:凸版印刷

■二章までの収録となっております。

■アンカット製本は、洋式製本のなかでは歴史的な厚味を持って行なわれてきましたが、本邦ではあまり馴染みがありません。片面に8ページづつの版面を刷り込んだ用紙を三つ折りにすると、16ページの折丁が一つでき、これを必要な数だけ重ねて書物一冊分のページを整えます。重ねた折丁の背を糸で簡単にかがり合わせ、質素な仮表紙で包んで「仮綴本」としました。アンカット本はペーパーナイフでページを開きながら読んでいきます。凝った意匠や高価な材質のペーパーナイフの存在は、これが書簡の開封だけに用いられるものではなく、かつては書斎人にとっての必須アイテムであったことの証でもあります。

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『I AM A CAT』表紙

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裏表紙

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アンカット


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